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2015年2月19日 (木)

先を読む頭脳 - 羽生善治 伊藤毅志 松原仁

羽生 善治(はぶ よしはる)
1970年、埼玉県生まれ。将棋棋士。中学3年でプロ四段に。96年に史上初の七冠制覇を達成。

Habu

子供の頃に集中して何かに取り組むと、ある時期なって飛躍的に伸びることがあるように思います。・・・将棋を覚えてから、「考える」ことが苦にならなくなりました。・・・将棋のおかげで時間をかけて「考える」習慣が身についたことは確かです。

将棋では定跡手順を覚えることももちろん大切ですが、それ以上に駒が並んでいる形の良し悪しに対する感覚がとても重要で、それが身についていないと、あるレベルから上には強くならないのです。

プロを目指すような人の場合は、十代の半ばくらいまでに、その人の指す将棋の骨格がある程度出来上がってしまうということです。それが土台になって、あとはその上にいかに研究を積み重ねて、実力をつけていくかという問題になります。その土台の部分が小さかったり弱かったりすると、積み上げていっても崩れやすいのです。また、考えたり読んだりするうえでの、「常識」「直観」といった感覚的なものは、かなり早い段階で形成されてしまうように思います。

上達が早そうな子供は、見ていると比較的すぐにわかります。どういうところを見るかというと、まず盤上で駒が前に進んでいるかどうかということです。・・・もうひとつ大事なことは論理性です。子供なので基本的には直観で指していることが多いのですが、その中に論理的な思考を感じさせる部分のある子は、おおむね早く上達していくように思います。
 ただそれはあくまで、アマチュアの四段、五段という段階までの話です。・・・プロになるためには、もちろん持って生まれた先天的なセンスや能力が大事だと思いますが、それ以上に必要なものがあると私は思っています。それは例えば、非常に難しくてどう指せばいいのかわからないような場面に直面したとき、何時間も考え続けることができる力。そして、その努力を何年もの間、続けていくことができる力です。

実戦では、全く同じ状況が二度現れることはありませんが、似たような状況になることはよくあります。その似たような状況を積み重ねていく中で、適応力や、対応力が身についていくのです。

駒を持って動かすという学習には、大きく分けて次の二つの効用があると考えられます。一つには、自発的に駒を動かすことによる「能動的で身体的な学習」ということです。もう一つは、色々な表現への変換を行う「多様な表現を用いた学習」ということです。

一つの問題を色々な形で表現できるということは、問題を解決する際に非常に有効であることが知られています。

私は序盤戦においては、自分が何をやりたいかというよりも、できるだけたくさんの可能性を残しておくこと、そして相手がどのようにやってきても対応できるような手を指すことに重点を置いています。

アマチュアほど本質的でない手(無駄な手)をたくさん読み、トッププロほどいきなり本質に迫ると言えます。

情報のまとまりの単位を認知科学の分野では、「チャンク」と呼んでいて、集約化して記憶する認知メカニズムであると考えられています。・・・棋力がアップするにつれて、徐々にチャンクのサイズが大きくなり、ひとつの局面をひとつの絵のように捉えられるようになることがわかってきました。

判断基準は、最終的には好き嫌いしかなく、そこに棋風が反映されてくるのです。私自身は、自分の棋風を一言で表現するならば、「主導権を取りに行く」タイプだと思っています。

調子が悪くなるというのは風邪をひくのと似ていると思っています。

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