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2012年8月27日 (月)

日本の常識を捨てろ! - 落合信彦 ①

落合信彦

作家・国際ジャーナリスト。アメリカのオルブライト大学、テンプル大学大学院で国際政治学を専攻。オイルビジネスに従事した後、ジャーナリストに転身。愛称はノビー。「日本の常識を捨てろ!」は1998年に書かれたもの。

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「私が若い人たちに言いたいのは、同じ時間を費やすなら、世界で最も汚染されたハワイのワイキキビーチなどへ行って意味のない時間を過ごすよりも、アフガニスタンの難民キャンプに言ったほうがいい、ということだ。・・・ある国へ旅をするのだったら、確固たるなんらかの目的を持って行くこと。・・・くだらないテレビ番組ばかり見て、ゲラゲラ笑っていたら、五年後も、十年後にも、自分は全く変わっていない」

「日本が経済大国と言われるようになって久しいが、それは決して日本が世界に受け入れられたということではない。日本人はこの点で、大きな錯覚に陥っている。・・・海外に出て、冷めた目で外国から日本を見てみると、これまでとはまったく違った日本が見えてくる。”日本という国は、諸外国からあまり重要に考えられていないな”ということに早く気づいて、そこからスタートしていけばいい」

「東大を出て、冷たい官僚になるより、涙がわかる人間になった方がはるかにいい。東大を出て大蔵省に入って銀行局長になった人間が、どれだけ中身のない人間かを、われわれは先の住専国会証人喚問の時、見せつけられたではないか。建前の教育だけを重視し、真の”教育”をないがしろにしたため、いかに多くの血も涙もない連中が、大学という巨大動物園から作り出されたことか

「教育が金儲けのための一大産業に成りあがっているのも日本の特徴の一つだ。・・・予備校と進学塾がなくなったら、日本は少しはまともな国になると思う。人間が住む国になる」

「日本人は世界からどう評価されているかを、正確には把握していない。たとえば、トルコやフィンランドは伝統的に親日的だ。彼らの日本人観は、正直で、勤勉で、謙虚で、礼儀正しく、そして何よりも名誉を重んじる国民だと思っている。フランシスコ・ザビエルが日本に来たときの日記のなかにも、”日本人はいちばん名誉を重んじる”と書いてある。現状の日本と照らし合わせるとまったくマッチしそうにないが、まだなかにはそういう精神を持った日本人もいる。
ところが、アメリカ人に言わせると、太平洋戦争開戦時に”真珠湾”を騙し討ちされたことが意識の根底にあるので、日本人というのはずるい狐ということになる。・・・また日本人を猿だという見方をするアメリカ人も多い。
このように国によって評価は異なるが、いまの日本人を見る世界の平均的な評価は、”非常に働き者だが、人間性がない”というようなことになる」

「アメリカのCIAがよく日本のことを叩いて、日本のパラダイムと西洋のパラダイムは違うと指摘する。西洋のパラダイムは、民主主義、平等、愛だが、日本のパラダイムは金儲けだけだと厳しい」

「日本人が見逃してはならないことは、”富を持っているものには責任がある”という点だ。これはジョン・F・ケネディの、”多くを与えられている者には責任がある”という言葉にも表わされているが、富には責任がつきまとうということを日本人は忘れている。
今の日本は、金を世界中に多く与えてはいるけど、責任というものは全く自覚していない。・・・その場だけはチヤホヤされるけれども、本当はバカにされていることに気づかない。そのうえ、有償やヒモ付きの援助がやたら多い

「英国作家、ジョージ・バーナード・ジョウが”本当にシニカルな人間とはどういう人間かというと、あらゆるものの値段は知っているけれども、価値をまったく知らない人間だ”ということを言っている。その言を借りれば、いまの日本人というのは最もシニカルな人間ということになる。価値はまったく知らなくて、値段ばかりを気にしている。”これ、いくらしました。これ、高かったでしょう”だけではあまりに情けない」

日本は世界の成金で、精神的には非常に貧しい国だと、たびたびヨーロッパの指導者から指摘を受けてきたが、いっこうに改善される気配はない。
同じアジアでも、シンガポールの場合は、指導者が自国の心の貧しさを憂える見識がある。
シンガポールは・・・96年の一月に先進国の仲間入りの資格を得た。ところが、首相のゴー・チョクトンは、国民に向けた新年のメッセージのなかで、”シンガポールは貧しい”と述べた。何が貧しいのかというと、心が貧しいと。どうしてかということを、ゴー・チョクトンは次の二つの例を挙げて説明した。
政府が貧しい人たちに、無償で教科書を配ろうとしたら、それを主催者までが取り合った。それから、日本円にして一個365円くらいのクリスマス・プレゼントを貧しい人たちに配ろうとしたら、それを貰いに高級乗用車で乗りつけた人たちがいた。こういう行為は精神的に貧しい、とゴー・チョクトンは言った。・・・
しかし、こういうことを指摘する政治家が日本にはいない。残念ながら、日本は精神的にだけではなく、政治的にも貧しい。・・・自由の意味を日本人がはき違えている間は、日本は貧しさから脱却はできない」

「ODAの問題も含めて日本は金の使い方にもう少し配慮が必要だ。金の使い方次第では、軽蔑の対象になるし、軽蔑を通り越して憎しみの対象にもなるということを知らなければならない。
1950年代から60年代にかけては”アグリー・アメリカン”というフレーズがよく使われたが、今日ではそれが、”アグリー・ジャパニーズ”にとって代わった。なぜかというと、歴史から何も学んでいない日本は、40年前にアメリカが犯した過ちをミャンマーで繰り返しているからだ」

「いつから金ですべてが解決できると日本人が考えるようになってしまったのだろうか。いろいろな意見があると思うが、私の考えでは、それが目に見える現象となったのは、かのロッキード事件で失脚した田中角栄の登場からだと思う。
田中は金さえあれば総理の座でも買えるし、一国の政治も自在に動かせることを証明した。この金万能主義は国民の心のなかに浸透し、それが後のバブルへの下地となった。バブル期に国民が一億総財テクに走ったのは当然の帰結だった。・・・
それまで株に関心を持ったことがない主婦たちまでNTTの株を買いあさり、株価がどんどん上がるのを見て、こんなに儲かるならとほかの株にも手を出した。ところが、バブルが弾け株価が下がり出す。慌てた彼女たちは、”金を返せ”と騒ぎ出した。何と甘いことか」

「まだ日本が金持ちのうちはいいが、もし貧乏になったときに、無条件で援助の手を差し伸べてくれる国があるかと聞かれたら、今の時点で私には自信を持って挙げられる国名はない」

つづく・・・

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