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2011年6月 1日 (水)

ヨーロッパ育成最前線

下の本にインタビューを載せてもらった。

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ドイツ時代の先生の一人ベルント・シュトゥーバーのインタビューも載っている。これまでドイツU-15などの代表監督を務め、W杯南アフリカ大会ではドイツサッカー協会のためにゲーム分析を行った。現在はドイツサッカー協会指導者育成の責任者。

シュトゥーバー:

「ドイツでは、U-14までにサッカー選手として、コンディショニングと身長の伸びを除いたすべての指導が終わっていなければなりません・・・14歳までは、どんなゲームでもゴールを1つでも多く奪って勝つことを、そして負けた後は反省し、どうすればサッカーに集中できるかを教えなくてはなりません。試合に勝つことは大事なのですが、負けたことを反省するのも重要なのです。ただし、負けた場合に怒る指導者がいるようですが、そこからは何も生まれません」

「選手のクオリティーは、そのまま指導者のクオリティーでもあります。もちろん選手が考えていることもあるでしょうが。実際は指導者のクオリティーに合った選手しか出てこない。つまり、指導者のクオリティーを超える選手は出てこないのです」

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短い文章で伝わりにくいかもしれないけど、日本とドイツの違いについて話し合った。日本と比べて、ドイツのほうがサッカーの社会的な影響力が大きい。だけど、子供たちも指導者も年中サッカーにどっぷりというわけでなく、サッカー以外のことにも時間を割いていて、人間的な幅の広さがサッカーにも活かされていることもあると思う。

ドイツでは学校の部活がほとんどなく、子供たちは学校が終わるとクラブチームの活動に参加する。学校では勉強専門の先生、クラブではサッカー専門のコーチが指導を行う。どちらにも共通することはそこで専門的な人によって子供の教育が行われている。日本でも、サッカーをしっかりと教えることができれば学校の先生でもいいと思うし、人間育成ができればサッカーコーチが指導すればいいと思う。特に、日本の高校年代ではまだまだ高校サッカーの影響力が強いので、質の高い選手が集まり強い高校チームがいくつもある。ドイツと比べてみると、このような高校チームはブンデスリーガ下部組織に当たるわけで、練習内容・組み立てからコンディショニングまでプロ選手でも納得するようなトレーニングが行われるべきで、選手がそこで燃え尽きてしまわず、次のカテゴリーに良い選手をどんどん輩出していくべきだと思う。

子供がサッカーをやりたいと思う(集中してサッカーをしている)時間と指導者が必要だと考える時間は異なる場合が多いと思う。日本ではまだ武道的な考え方が残っているので、たくさんやればうまくなる、厳しくやれば上達するという考え方はあると思うけど、ドイツでは逆にやりすぎることに関してとても厳しい。もちろんがんがんやって戦わなければならない場面はあるけど、それもやらされるのではなく、選手が自分からやろうとするトレーニング内容やモチベーションの持たせ方が重要だと思う。例えば、時間的にいつ終わるかわからないトレーニングだと、選手たちは先を考えて力をセーブしてしまう。考えることは戦術的なことでなく、体力の温存とがんばっているふりをすること。その結果、戦術的なことが解決できずに試合に臨み、試合で負け、コーチに怒られ、厳しいトレーニングが行われ、がんばっているふりをして、疲労がたまり、拘束時間も長くなりストレスもたまり、いつかケガや病気になるという悪循環になるかも。

とにかく、ドイツで学んだことは、選手ができないのは選手のせいではなく、それを指導できないコーチの責任ということ。だからと言って選手が無責任であっていいわけではなく、フィールド内外である程度の自由を与えられる分、その結果に関しても責任を持たなければならない。「自由⇔責任」の関係はドイツでは子供のころから教育の中で取り組まれているし、日本ではまだまだしっかり機能しきっていないように思う。

  良い練習             悪い練習
    ↓                 ↓
能力アップ・楽しい      やってるふり・つまらない
    ↓                 ↓
 課題を解決           課題は未解決
    ↓                 ↓
 結果につながる      結果が出ない・怒られる
    ↓                 ↓
次の課題に取り組む     より長く厳しい練習
    ↓                 ↓
 
  良い流れ             悪い流れ

・モチベーションアップ    ・モチベーションダウン
・考えながら練習する     ・ただ従うだけ
・自立する             ・ロボット化
・人間的幅ができる      ・ケガやストレスが増える

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