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2008年9月 3日 (水)

カーン引退試合直前インタビュー

 タイタンや火山(Vul-Kahn)と呼ばれていた元ドイツ代表オリバー・カーンの引退試合が9月3日ミュンヘンで行われた。対戦カードはバイエルン・ミュンヘン対ドイツ代表で、カーンはバイエルンの選手として出場した。

 カーンは、ブンデスリーガ557試合出場、ブンデスリーガ優勝8回、ドイツカップ優勝6回、チャンピオンズリーグとUEFAカップでそれぞれ優勝1回、ヨーロッパ選手権優勝1回、世界最優秀キーパーにも4度選ばれた。闘将マテウスも、カーンの野心のすごさは半端でないと言っていた。

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Q:あなたにとってドイツ代表との引退試合はどのような意味をもっていますか?

カーン:もう一度アリーナでプレーできるのを本当に楽しみにしてるよ。私にとっても観客にとってもすばらしいお祭りになればいいと思う。

Q:あなたの中の哀愁がこの試合でもまた高まりますか?

カーン:わからない。私は3ヶ月間この試合のことをずっと考えていて、長い間引退の瞬間のための心の準備はしてきたつもりだ。

Q:この試合のためにトレーニングを積んできましたか?

カーン:いろいろやったよ。これからも続けると思う。ウエイトトレーニングや森でのランニングに多くの時間を費やした。ここ数日は簡単にチームとの練習もした。

Q:あなたはハーフタイムにもグランドに残らなければなりませんが、何が行われるのですか?

カーン:子供たちの保護や社会プロジェクトの一環となる「ミリオンキック」が行われる。そこでは10人が私に対してシュートを撃つ。ゴールが決まれば10万ユーロが手に入り、もし私がゴールを阻止したら、その10万ユーロは子供保護協会に寄付される。

Q:そのお金で子供保護協会は何をするのですか?

カーン:学校のモチベーションプログラム「Ich schaff´s(私はできる)」などに使われる予定だ。

Q:何があなたをこのような社会活動に取り組ませたのですか?

カーン:これまで多くの少年たちが私に助言を求めてきた。それはサッカーだけのことではなく彼らの人生の展望に関わることだった。

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Q:どのような活動を行う予定ですか?

カーン:まずはバイエルンの学校の生徒たちをしっかりさせたい。才能というものは一人の力では育たないものだ。このような直接的なふれあいを楽しみにしているよ。人生での成功には、忍耐、ハードワーク、意志が必要だ。そして、勝つために必要とされるのは能力のある人間ではなく、頑固で最後までやり遂げる人間だ。

Q:あなたはこれまでそのように生きてきました。

カーン:はい、私はそのような人間の典型だろう。そのように生きてきたつもりだ。私にとってはサッカーとテニスがすべてであり、12歳の時にはプロになりたいと思っていた。そして、世界で最高のキーパーになりたいと思っていた。

Q:あなたはAbitur(高校卒業資格)を取得しました。誰がこの助言をしたのですか?

カーン:私の父だ。彼もカールスルーエでプロ選手としてプレーし、監督も務めた。彼は私の人生において最初の影響ある人物だった。その後も、ヴィニー・シェーファーからオトマー・ヒッツフェルトまですばらしい影響力のある監督に出会えた。

Q:最後のシーズンで達成した、リーグとカップ戦制覇の2タイトルはあなたにとってどれだけ重要なものですか?

カーン:オトマー・ヒッツフェルト(カーンと同じく昨シーズンでバイエルンを去り、今シーズンはスイス代表監督)と私は、最後のシーズンの失敗はやり直しがきかないことを知っていた。それなので、どうしても成功したかった。我々は似たもの同士で運命共同体を結成していた。2人とも緊張感とプレッシャーが必要だった。

Q:最後のブンデスリーガからこれまでをどのように過ごしてきましたか?

カーン:20年間も続けてきたプロ生活が終わった後だから、最初は何か奇妙な感じだった。でも、いろいろなことをする時間ができてうれしいよ。アメリカやコートジボアール、サルデーニャに行くことができた。家族とも一緒に旅行ができたし、引退後はまず体を休めないといけないよ。

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Q:活動 - 隠退、どちらを好みますか?

カーン:私にとって隠退はありえない。私には与えられた課題があり、9月からそれに取り組むつもりだ。私に与えられた課題はサッカーだけではない。サッカー選手として人生の前半を過ごしたが、これから他のことをするべき時間がまだ残っている。

Q:何が待っているのですか?

カーン:引退試合のあとはアジアでの活動だ。スポーツと娯楽の要素を兼ねたもので、中国で最高のゴールキーパーを探すというものだ。それに加え、インターネット上でも他のアジアの国のキーパーがビデオが送れるように設定している。その他にもバイエルンの学校でのイベントなど様々なことを予定している。

Q:サッカー以外であなたに何が必要ですか?

カーン:長年の生活スタイルが変わって何か変化があるかもしれないが、今のところ何も感じていない。

Q:ブンデスリーガ新シーズンが始まる時のあなたの心境は?

カーン:不安や緊張などは一切なくなるだろう。感情無しにサッカーを見たい。ZDF局のコメンテーターとしての仕事があるから、システム、戦術、選手を注意深く観察したい。

Q:あなたは手厳しいコメンテーターになるのでしょうか?それとも思いやりのあるコメンテーターですか?

カーン:どちらでもない。中立的な立場を取り、私の経験を元に、テレビでは見て取れないことを視聴者に伝えしたい。

Q:いつからですか?

カーン:9月10日のフィンランドで行われるワールドカップ予選からです。

Q:引退して何があなたに欠けていますか?

カーン:試合、トレーニングなどは私にとってこれから必要のないものだが、チームが私にかけていると思う。そのような輪の中で私はいろいろと楽しいことを経験したからね。

Q:あなたは14年間ミュンヘンのシンボルであり続け、アグレッシヴなスタイルが注目されていましたが、昨シーズンは何か変わった気がします。

カーン:「カーンは常に本物である」と人々の中に記憶されていたのかもしれないが、私はこれまでミスも犯してきたし、決してパーフェクトではない。ただし、20年間のプロキャリアの中で私は常に誠実であり続けたつもりだ。ひょっとしたら、このことが人々に何らかの感銘を与えたのかもしれない。

Q:もう一度人生を初めからやり直したいですか?

カーン:それだけは勘弁だね。時はすでに過ぎ去った。でも、サッカーでは当たり前のことで、何かを成し遂げたら、そのときにはもう次のことが話されている。2001年にタイトルを獲得した時もそうだった。

Q:2001年のチャンピオンズリーグ決勝でヴァレンシアとのPK戦でファインセーブを見せました。

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カーン:あれは確かに特別な出来事だった。まず、チャンピオンズリーグを制覇できたこと。そして、この2年前にはマンチェスター相手にロスタイムで2失点して負けていた。さらに、1年前には準決勝でレアルに負けていた。この決勝でも負けていたら、バイエルンは絶対に停滞期を迎えていただろう。

Q:1999年、1-2でマンチェスターに負けた試合は、あなたの中で最悪の試合でしたか?

カーン:はい。しかし、それはもう昔のこと。負けた瞬間というのは、立ち上がることもできないほどの想像を絶するものだ。バルセロナでクフォーが号泣してたように。しかし、我々は負けを糧にして成長していく。そして、これは私のモットーの一つでもあるが、最後の笛がなるまでは決して終わりではないということも経験してきた。当時は本当にすごい選手が集まっていて、これだけ長い間チャンピオンズリーグで上位の成績を残せたのはすごいことだったね。

Q:2002年のワールドカップではタイタンの称号(MVP)を得ました。

カーン:当時私は絶頂期にいました。タイタンであった時期は朝から晩までとにかく結果が要求されました。私はすべてのセービングでタイタンであることを証明しなければなりませんでした。

Q:4年後、ドイツでのワールドカップではあなたはベンチにいました。この大会では、アルゼンチン戦でPK戦に突入した時に、あなたがレーマンに手を差し伸べるシーンがとても印象的でした。

カーン:あれは決して計画していたものではなかった。PK戦が始まる前に選手たちの間に立っていて何かを感じ、レーマンの所に行った。この行動は私にとって当然のことだった。個人的な感情よりも、ワールドカップで優勝することが私にとっては重要だったのだ。私は第2キーパーとしてワールドカップに参加した。この行動は自己克服であり、私にとってはある意味勝利であった。

Q:あなたが達成できなかった目標はありますか?

カーン:サッカーにおいて私がまだ達成したいと思うことはない。あとはビジネスの分野でも成功を収めたい。これはサッカーに関わる必要はない。時間はまだかかるかもしれないが、何かを決めたらそれに向かって突き進みたい。

Q:それでは、サッカーの世界に戻ることはないのですか?

カーン:それはわからない。20年のキャリアを終えて、今はそんなにやる気がしない。まだ時間が必要だ。

Q:バイエルンに(指導者として)復帰することは想像できますか?

カーン:もちろん考えられるよ。でもあったとしても当分先のことだね。今は全くありえないよ。

Q:あなたは哲学的なことを言いました。「サッカー選手は常に未来に生きている。」サッカー選手でないあなたにとって、これからの人生は?

カーン:サッカーでは常に次のタイトル、新しい選手、次の試合への質問が出てくる。まだシーズンの半分も終わってないうちに、次のシーズンの話がされている。バイエルンのようなクラブにいたら、決して楽しむような時間はないよ。今はようやく自分の時間を楽しめるよ。

Q:ミヒャエル・レンジング(カーンの後任若手キーパー)は成功しますか?

カーン:そう思うよ。キーパーとしてのポテンシャルを持っている。あとは、気持ちの問題だね。

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コメント

お久しぶりです。おじゃましまーす。
才能とは、一人の力では育たない。
ごもっともですよね。

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周りの環境は大事。
久しぶり。元気?

投稿: ヴァイオリン | 2008年9月 3日 (水) 23:35

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