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2007年3月23日 (金)

ラインズマンに頼りすぎない - ユースの試合

 コブレンツで行われたユースの試合を観にいった。ドイツのサッカーは、大人の部と19歳以下の少年の部に大きく分けることができる。更に、少年の部は19歳から2年ごとにカテゴリー分けがされ、U19がAユース、U17がBユース、U15がCユースというように、U9のFユースまで続く。もっと下のちびっ子たちのためにはバンビーニというカテゴリーが存在する。プロのチームはもちろんのこと、下は10部くらいまであるアマチュアチームの多くも、AからFまで自分たち直属のユースチームを持っている。そして、これらのユースチームも大人と同じように毎週末ホームアンドアウェイで試合をこなしている。プロチームの下部組織になると抱えるユース選手の数も増えるので、AユースをA1とA2というように分けたり、間にU18やU16を入れて1年ごとの年齢カテゴリーに分けたりもしている。

 試合時間はU19のAユースでは大人と同じ45分ハーフ、U17のBユースでは40分ハーフとなっている。大人と同じように1シーズンを通してリーグ戦を行い、リーグの昇格降格もかかっている。ちなみに、日本の小学3,4年生にあたるFユースはハーフコートで試合が行われるけど、大人と同じ5号ボールがすでに使われている(日本の小学生は大人よりも一回り小さい4号ボールを使用。中学生から大人と同じ5号ボールを使い始める)。

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<Bユースのカップ戦準々決勝>

 この日観にいった試合は、Bユースのラインラント地域のカップ戦準々決勝で、コブレンツ(Koblenz)とトリアー(Trier)の対戦だった。コブレンツの大人はブンデスリーガ2部、トリアーの大人はドイツ4部リーグに所属している。大人と同じように週末にリーグ戦があるので、カップ戦は平日の夜に行われる。

 試合はブンデスリーガで使われるスタジアムの隣の人工芝で行われた。人工芝の状態はまずまずだったけど、照明はかなり暗く、州のベスト8の試合なのにラインズマンはいない。また、トリアーのユニフォームには背番号がついていなかった。日本の高校サッカーに比べると、重要度や注目度はぜんぜん下。それは、ドイツのユース年代はあくまで育成が目的、ということから説明がつく。大事なのはこの時点で勝つことではなく、上の年代へ育ててあげること。それが最終的には大人になって世界を相手に戦えるチーム作りにつながっていくと思う。

 試合のほうは、後半決めたゴールが決勝点となり、コブレンツが1-0でトリアーを下した。

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<ヴィルゲスAユースの試合>

 
週末はヴィルゲス(Wirges)のAユースの試合を観にいった。ヴィルゲスAユースは、この年代で3番目のリーグに所属していて現在首位を走っている。この日の試合も4-0で快勝し、リーグ昇格をほぼ確実にした。

 この試合もラインズマン無しで行われた。もちろんユース年代でももっと上の重要な試合ではラインズマンがつけられるけど、公式戦でもこのレベルだと、選手や監督はオフサイドを審判の判断にまかせている。もちろん、審判一人ですべてを正確にジャッジすることはできないけど、ラインズマンがいないことによって選手や監督は、オフサイドトラップをねらうことよりももっと大事なことを考えながら試合をすることができると思う。

 例えば、ディフェンスが敵についていかなければいけないところで、楽をしてオフサイドトラップをかけてしまうことがある。ラインズマンがいないと、楽をするためにこうしたリスクを冒しづらくなるので、ボール際で最後まで戦うことや1対1で絶対に負けないことが求められるようになる。また、ディフェンスラインにパスを出させないために、中盤の選手も敵に厳しくプレッシャーをかける必要がある。一人ひとりがチームのために戦うといったサッカーでもっと根本的なことが選手には求められるようになると思う。このことも、ユース年代の勝ち負けよりも育成に重点が置かれているからできることだと思った。そして、一人の責任で試合をコントロールしなければならない審判の育成にもつながると思う。

 はとこのショーヤは日本でコーチライセンスを取得したとき、「いくら話だけを聞いても、海外のサッカーは自分で体験してみないと本当のことはわからない」というようなことを言われドイツにやってきた。ヴィルゲスのユースと一緒に練習などもした。この試合を見て一言。
「監督が日本のようにうるさくないこと。ユース年代は育成だというドイツの考え方を感じた。」

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